平成7年度 運輸白書

第4章 新時代に対応した物流体系の構築
 |
第3節 輸入拡大に対応する国際物流の円滑化 |
1 国際複合一貫輸送の推進
2 輸入インフラの整備
- 1 国際複合一貫輸送の推進
- 国際物流の分野においては、近年、経済のグローバル化の動きを受けて、国際的なドア・ツー・ドア輸送について、フォワーダーが荷主との間で一貫して運送責任を負う国際複合一貫輸送が発展しており、国際宅配便等の高度な物流サービスが急速に普及している。また、アジア地域を主とする日本企業の生産拠点の海外進出に伴い、その製品等の国際複合一貫輸送を担うため、貨物運送取扱事業者の海外進出も活発化している。
こうした状況に対応して、運輸省では、我が国の国際貨物運送取扱事業者の諸外国における事業活動につき公正な機会を確保するため、諸外国との調整等を行っている。
- 2 輸入インフラの整備
- 我が国の貿易環境は、生産拠点の海外移転や円高による割安な海外製品の流入によって大きく変化しており〔2−4−3図〕、また、円高の是正、貿易黒字の是正等を理由に、更なる輸入の拡大が求められている。このため、国際物流と国内物流との接続の円滑化が一層求められてきており、港湾、空港の整備を進めるほか、輸入品の保管、配送を円滑に行うための倉庫、上屋等を整備し、将来的には輸送機器の国際標準化等を促進する必要がある。
また、4年7月に施行された「輸入の促進及び対内投資事業の円滑化に関する臨時処置法」に基づき、港湾又は空港及びその周辺地域に輸入促進地域(フォーリン・アクセス・ゾーン=FAZ)を設け、当該地域における輸入促進に寄与する事業を支援し、輸入貨物の円滑な流通を図っており、これまでに18地域の地域輸入促進計画が承認されている〔2−4−4図〕。
さらに、FAZの一層の整備を推進するため、7月11日に、同法の10年間延長、FAZ内の特定集積地区における輸入貨物流通促進事業等に対する支援等を内容とする改正が行われた。

平成7年度

目次