3 海洋変動の監視・予測


 気象庁は、海洋気象観測船「凌風丸」により、東経137度線に沿った赤道域までの海水温・海流等の海洋観測を30年間続けており、8年からは、これに加えて東経165度に沿った観測を開始するなど、日本周辺海域及び西大平洋を中心に海洋変動の常時監視を行っている。
 また、我が国をはじめ世界の気候にも多大な影響を及ぼすといわれている東部太平洋赤道域のエルニーニョ現象の監視を行っており、現在、10年度からの数値モデルによるエルニーニョ予報の開始に向けた技術開発を進めている。
 さらに、IOCとWMOが推進している全世界海洋情報サービスシステムの太平洋を対象とする機関として、海水温等の海洋環境の観測データの収集及びこれらをもとに水温実況図等の情報提供につとめている。加えて、IOCがWMO等と連携して推進している全球海洋観測システムの地域プロジェクトである、北東アジア地域海洋観測システムでは、観測終了後30日以内の海洋観測データの収集・提供を行う「リアルタイムデータベース」の運用を10年1月より開始する。
 海上保安庁の「日本海洋データセンター」においては、北東アジア地域海洋観測システムにより取得したデータを30日以降に管理する機関としての機能を果たしている。また、西太平洋海域共同調査においては、責任国立海洋データセンターとして、加えて、世界海洋循環実験においては、超音波ドップラー流速計により取得したデータの集積センターとして国際的な役割を担っている。


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