1 鉄道技術の開発


 6年6月の運輸技術審議会答申「21世紀に向けての鉄道技術開発のあり方について」の内容に沿って技術開発を行うとともに、8年7月に(財)鉄道総合技術研究所の中に設置された「鉄道技術推進センター」等を活用して、技術開発の推進及び技術の普及を図っている。

(1) 超電導磁気浮上式鉄道

 超電導磁気浮上式鉄道の実用化に向けた技術開発を進めるため、9年4月より山梨実験線において走行試験が開始されており、12月には実験線における目標最高速度550km/hを達成した。また、運輸省研究開発評価指針に従い、実用化技術等に関する外部評価を実施するために設置した「超電導磁気浮上式鉄道実用技術評価委員会」は、7月30日に開催した第5回委員会において「これまでの走行試験結果の範囲内で技術評価を行ったところ、いくつかの課題はあるものの、実用化に向けて基本的な問題は認められなかったと判断できる。」との中間とりまとめを行った。

(2) 鉄道の高速化等

 安全面、環境面に留意しつつ、利用者の利便性向上に資する鉄道の高速化、新幹線と在来線を相互に乗り入れることが可能な軌間可変電車についての技術開発が進められている。
 運輸省では(財)鉄道総合技術研究所の行う高速化に伴う騒音対策等の基礎的、先導的技術開発に対し、補助金による助成措置を講じている。

(3) LRT(ライトレールトランジット)

 都市内の公共交通機関として路面電車が見直されている。我が国においても、熊本市において初めて低床式車両(2車体1編成)が導入され、9年8月より営業運転が行われている。


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