2−4−3表 JR、大手民鉄、営団・公営地下鉄の対象駅(高低差5m以上かつ1日の乗降客数5,000人以上の駅)におけるエレベーター・エスカレーター設置状況(平成11年度末)
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対象駅数
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設置駅数
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整 備 率
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エレベーター
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J R 6社
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730
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203
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27.8%
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大手民鉄15社
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763
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244
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32.0
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営団・公営地下鉄
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524
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287
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54.8
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計
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2,017
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734
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36.4
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エスカレーター
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J R 6社
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730
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348
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47.7%
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大手民鉄15社
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763
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418
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54.8
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営団・公営地下鉄
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524
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461
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88.0
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計
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2,017
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1,227
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60.8
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注(1) | このほか、中小民鉄、モノレール等の対象駅が約150駅あり、そのうちエレベーターが約70駅、エスカレーターが約100駅に設置されている。 |
(2) | 設置駅数は、1基でも設置(障害者対応型とは限らない)されていればカウントしている。 |
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3 路面電車のLRT化と低床バス・福祉タクシーの普及
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LRT(ライト・レール・トランジット)は、欧米の都市において相次いで導入されている新たなタイプの路面電車であり、
1.都市内の渋滞緩和や環境問題の改善に資する、
2.車両が超低床式(ステップの高さがレール面から30程度のため、プラットホームからほぼ水平移動で乗車できる)のため、高齢者等にも利用しやすい、
3.加速・減速時の騒音や振動が少ない、
4.大規模な駅施設や垂直移動施設等を要しない
といった優れた特性から、我が国においても熊本市交通局及び広島電鉄において導入されている。運輸省は、鉄道軌道近代化設備整備費補助制度を通じて車両購入費に対する補助を行っている。
また、乗合バスにおいては、高齢者等の利用を容易にするため、ノンステップバス等の低床バスが導入されており、ノーマライゼーションの実現に向けて、12年度から新たに拡充された補助制度を活用するとともに、車両の仕様や構造の標準化を積極的に推進して価格の低減化を図り、さらなる普及を図っていくこととしているほか、タクシーでは、リフト等を備えた福祉タクシーや、運転者が介護サービスを提供する介護タクシーのように、新しいサービスが普及してきている。
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広島電鉄のLRT車両 | ノンステップバス |
2−4−4表 ノンステップバス等の導入状況(路線バス)
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11年3月末現在
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12年3月末現在
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リフト付バス
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40事業者 278両
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43事業者 290両
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スロープ板付バス
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47事業者 952両
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57事業者 1,275両
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ノンステップバス
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61事業者 433両
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90事業者 840両
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4 公共交通ターミナルのやさしさ指標と案内用図記号の標準化
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バリアフリー対策が進んでいる公共交通ターミナルを高く評価することにより、交通事業者に対し、より適切かつ積極的なバリアフリー施設の整備を促し、バリアフリー対策の水準の高いターミナルを増やしていくこと等を目的として、「公共交通ターミナルのやさしさ評価」を行うこととし、この評価の基準となる「やさしさ指標」を11年12月に策定した。
11年度は、交通エコロジー・モビリティ財団において、3大都市圏の10駅について具体的な評価を実施するとともに、インターネット等を通じて評価結果を公表し、多くの反響が寄せられたところである。
なお、この評価については、12年度においても、50箇所程度のターミナルにおいて実施している。
また、利用者に対するわかりやすい交通情報の提供という観点から、案内用図記号(ピクトグラム)の標準化を進めるため、11年4月から、学識経験者、関係事業者等をメンバーとする「一般案内用記号検討委員会」において検討が進められている。高齢者や文字の判読が困難な訪日外国人旅行者が増加している中で、一見してその表現内容が理解できる図記号の標準化を図ることにより、公共交通機関の利便性促進につながることが期待されている。
福祉タクシー
2−4−3図 ピクトグラムの例<ISO(国際標準化機構)規格>
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第2節 地域における住民の足の確保
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過疎地域における住民の足としては、自家用車による移動が一般的となっているが、自家用車を利用できない高齢者等については、日常生活に必要不可欠な交通を確保する必要がある。
しかしながら、過疎地域における公共交通は、全体的に見ると利用者の減少傾向が続いており、事業として継続するには非常に厳しい状況にある。このため、運輸省では、地方公共団体と分担・協同して、交通の維持のために事業者等に対して適切な支援を行っている。
鉄道分野では、従来より鉄軌道施設の近代化を推進する地方鉄道事業者に対して設備整備費の一部を補助(鉄道軌道近代化設備整備費等補助金)してきているが、平成11年度からは、安全性向上を図るための施設整備について税制上の特例を講じているところである。
また、バス分野においても、地方のバス事業者の経営効率化対策を促進するとともに、生活路線の維持のために、地方公共団体と協調して運行欠損等に対する補助を行っている。また、バスの運行が事業として成立しない場合については、必要に応じ地方公共団体による廃止代替バスの運行、地方公共団体から民間事業者への委託による運行、スクールバスとの一体的運行や乗合タクシーの活用等が図られている。
また、離島航路・離島航空路のうち、不採算であれ、当該地域住民の日常生活に不可欠なものについては、地域的な交通ネットワークの維持・活性化をはかる観点から、国として、これらの路線の維持を引き続き図っていく必要がある。
このため、離島航路については、離島航路整備法に基づき、離島航路事業者に対して、航路経営によって生じる欠損について補助金を交付することにより航路の維持整備を図っている。また、離島航路に就航する船舶の近代化に係る建造費用の一部を補助する離島航路船舶近代化建造費補助制度が実施されている。
離島航空路線対策については、11年度より航空会社の経営改善の自主適な取り組みを基本としつつ、離島航空路線に係る運航費の補助、離島航空路線に就航する航空機に係る航空機燃料税の軽減措置を新たに実施するとともに、従来からの空港着陸料の軽減措置や固定資産税の軽減措置についても拡充を行った。また、新たに創出された運航費補助については、地方公共団体が独自に支援を講じた場合に所要の地方財政措置が講じられることとなった。
2−4−4図 離島路線図(平成12年4月1日現在)