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1 交通保安設備の整備と所要資金の確保
現在,国家および各輸送企業が増大する輸送需要に応じて,輸送力増強のための投資を計画的に進めていることは,すでに第4章でのべたとおりであるが,可動施設の整備に比べて基礎施設の整備が立ち遅れているわが国の現状では,基礎施設の整備がそのまま有効な交通事故防止対策となり,またそのための投資はそのまま交通事故防止のための投資につながるものである。
また,より直接的な交通事故防止対策としての投資すなわち保安設備の整備拡充のための投資は,従来より,その重要性と効果が認識ざれ,相当程度実施ざれてきてはいるが,しかし,資金面に制約のあるため,ともすると,交通安全対策は交通取り締り,運行管理体制の強化等人間の努力と注意力に依存し,比較的資金を必要としない事項にかぎられる傾向があつた。しかし最近の輸送機関の性能の向上による高速化および,鉄道・道路・港湾・空港等における交通量の増加は,人間の注意力のみではもはや交通事故を防止しえず,人間の注意力を補完するために,老朽可動施設の代替,基礎施設,保安設備の整備拡充が強く要望ざれる。
わが国においては風水害などの自然的災害に対しては,一般の関心が深くその対策も効果的に行なわれているが,交通事故による社会的災害に対しては,その対策に対する投資が不十分である。交通事故の現状にかんがみ政府および地方行政機関においてはできる限り多額の資金を交通保安投資に充当するとともに,各運輸事業においても保安施設の整備等が社会的義務であることを認識してこれを優先的に行わなければならない。また,とくに多額を要する保安施設の整備等で,地方行政機関や各企業の財政的理由により,その実庭が遅延しているものなどについては,国において補助や財政融資等の助成策を強化する必要がある。さらに保安施設に多額の資金を要する企業については,運賃の面でもこれを可能とする水準のものに保つように考慮することが必要である。
ちなみに,運輸省関係の主なる交通事故防止対策予算は 〔I−6−6表〕に示すとおりであり,毎年度増加してはいるが今後ともいつそうの充実をはかる必要がある。
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