(1) 農産品


  農産品は人口の増加による食料消費の増大のため,伸び率は低いが輸送トン数は増加している。特に米は景気の好,不況または作柄の好悪にかかわらず絶対量が確保されるという特色がみられる。
  農産品のうち,おもな物資別の輸送トン数は 〔I−(I)−5表〕のとおりである。米は38年度産が前隼に引続き豊作であつたうえに,外米輸入も加わつて輸送量が増大した。これは主食用を中心として酒造用,業務用等一般に需要が増加したためである。

  麦は,西日本を中心とした記録的な長雨で38年度の収穫は大きく低下したが,その不足分が輸入で補充されたこと,および麦の消費傾向として,粉食の普及による製粉用,畜産振興による飼料用が増加していることなどにより輸送量は昨年より増加した。
  野菜は,年度前半の天候不順に屯かかわらず,全体では前年度をやや上回つている。果物は,大宗であるりんご,みかんをはじめ,すいか,桃,なし,ぶどう等大部分が豊作で輸送も大きく伸びた。とくに青森産りんごは,史上最高の輸送実績を示した。
  たばこは,栽培技術の向上と消費の増加で輸送も増加傾向が続いている。
  わら工品は,化学繊維の進出と荷造包装の近代化によつて,需要が減少し,輸送も低下しつつある。


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