2 定期外旅客における用務,観光客の増大
定期外旅客は,着実に増加を示しており,とくに全国的鉄道網を形成する国鉄において著しい。
![]()
また定期外旅客の距離別構成比をみると, 〔I−(I)−17表〕のとおり,100キロ以下の旅客の割合が低下しているのに対して,100キロをこえる中・長距離旅客の割合が増加している。
![]()
このことは,国鉄の定期外旅客の1人平均乗車キロが毎年伸長傾向を示し38年度においては44キロと前年度に比べて約1キロの伸びを示している。( 〔I−(I)−18表〕参照)この傾向は,近距離定期外旅客のバス・乗用車等への転移にもよるであろうが,他方後に述べるように,中・長距離の用務客および観光客の増大によるものである。
![]()
国鉄の定期外旅客を目的別について見ると用務客が第一位で続いて私用客,次いで観光客の順となつている。たとえば寝台車利用客および座席指定客についてみると 〔I−(I)−19表〕のとおりである。
![]()
最近においては用務客および観光客の伸びが著しい。まず用務客についてみると,近年においては産業経済活動の全国的な組織化と地方経済の開発により既成経済圏と地方経済圏との結合が高まり,このため主要都市間を結ぶ幹線において,公用,社用等の中・長距離旅客が急速に増大してきた。これに伴い定期外旅客に占める特急・急行・準急等の優等列車の利用客の割合も年々増加の一途を辿つている。
![]()
所得と余暇利用の増大および人口の都市集中により,多客期における幹線輸送需要は著しい伸びを示しており,とくに,年末年始には, 〔I−(I)−21表〕に示すように帰省客が大量に増加し,輸送波動のピークを形成している。
![]()
|