2 対策一国鉄第2次5ヵ年計画
国鉄は,このような輸送力不足に対する抜本的な対策として,36年度を初年度とする第2次5箇年計画を樹立し,現在まで鋭意実施に努めている。
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従来の東海道線は,全国鉄営業キロの2.9%の589.5キロの区間において,全国輸送量のうち旅客26%(362億人・キロ),貨物23%(131億トン・キロ)を輸送するわが国の大動脈ともいうべき幹線であるが,急激な輪送需要の増加により,現在では列車増発の余裕が全くなくなつている。
幹線輸送力の増強でその大宗を占めるものは線路増設であるが,その進ちよく状況は, 〔I−(I)−25表〕に示すように,線路増設計画1154キロ(35年度末で全国の複線化率13%を40年度末に18%とする。)に対して38年度末までに417.4キロが完成し,36%の進ちよく率を示しており,なお555.3キロが施行中である。
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このほかに,通勤輸送等により2.7キロの線路増設が行なわれたので,
電化は,動力の近代化とともに,けん引力の増大,スピードアップ等により輸送力の増強を図るものであるが,幹線電化の進ちよく状況は 〔I−(I)−26表〕に示すように,電化計画1727キロ(35年度末で全国の電化率13%を40年度末に22%とする。)に対し,38年度末までに810.8キロ,47%が完成し,711.6キロが工事中である。特に信越線は予定区間を100%完成したほか,北陸,山陽,鹿児島,常磐の各線区において着々と進行している。
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輸送力増強のためには,線路増設,電化等のほかに,可動施設である車両の増備が必要不可欠であるが,車両増備の進ちよく状況は 〔I−(I)−27表〕に示すとおり,38年度末までに蒸気機関車,客車は相当整理されたのに対し,電車,気動車がそれぞれ49%,55%の進ちよく率を示しているほか,貨車の増備も目標の58%と著るしい。
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