2 輸送力増強の問題点とその対策


  上述のように東京,大阪におけるトラック輸送需要は顕著な伸びを示しているが,輸送力の増強は年々激化する路面交通の混雑化現象により困難になつている。
  現在,交通混雑緩和対策として,道路,時間,車両を指定して通行を禁止する交通規制および路線トラックの早朝,夜間および休日運行等の自主規制が実施されている。しかしこれは反面トラックの機動性を減殺し十分な輸送力の発揮を阻害している。もちろん,交通混雑の根本原因は,近年の激しい人口,産業の大都市集中および道路施設の立ち遅れにあるが,トラック輸送力の増強を図るためには,これらの問題の解決はもとより,次のような対策を講ずる必要があろう。
 (1) 大都市内にある工場,市場,倉庫,間屋等を郊外に移転することにより輸送需要を分散させると同時に貨物自動車専用道を建設すること。
 (2) 大都市周辺部の主要幹線道路と外周部の環状道路との接点附近に市場,倉庫,問屋,トラックターミナル等を含めた総合流通施設を建設すること。
 (3) 現在大都市を通り抜けている貨物については,大都市通過を避けうるようバイパスを建設すること。


表紙へ戻る 目次へ戻る 前へ戻る