第5章 国際海上労働

  第2回 ILOアジア地域海事会議
  第2回ILOアジア地域海事会議が昭和40年4月21日から30日までの10日間,東京に,参加15カ国,代表約100名を招集して開催された。この地域海事会議は1953年セイロンのヌワラ・エリヤで開かれた第一回会議から12年ぶりに開かれたものであるが,アジア地域各国及びアジア人船員を雇用し,利害関係を有する各国の海運の労働における特殊な問題を検討し,アジア人船員の労働条件をさらに国際的基準に近づける方策をうちだすことを目的としていた。会議は,事務局長報告及び技術議題として,職業訓練及び賃金・船内労働時間・定員の二議題について進められ,その結果,二つの技術議題について結論が満場一致採択された。またイギリス船員代表及び日本船員代表等から提出された決議案について検討し,後にかかげる6つの決議として採択した。二議題の結論及び採択された決議は,ILO理事会によつて決定され,今後アジア人船員を雇用する各国は,この結論及び決議を実施する責任を要求せられることとなつている。
 (採択された決議)
 (1) 厚生施設に関する決議
 (2) 医療施設に関する決議
 (3) 社会保障に関する決議
 (4) 船員の募集に関する決議
 (5) 組織に対する理解と雇用条件に関する決議
 (6) 将来のILO海事会議に関する決議。


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