第1節 39年度における国内輸送


  昭和39年度の日本経済は,景気調整期にあり,一方では,輸出の伸びによる国際収支の改善,国民総生産の景気調整期としては異例の伸びがみられ,経済規模,生産規模は,一応の拡大傾向を示したにもかかわらず,他方,金融引締めの影響による企業収益の悪化,倒産の増大,消費支出の伸びなやみ等の現象が現われ,とくに下半期において,その傾向は大きくなつた。
  このため 〔1−1−1表〕に示すように39年度の貨物輸送量は26億3,300万トン,1,842億トンキロで,38年度に比較してそれぞれ10.7%,1.8%の増加にとどまり,38年度の増加率18.2%および12.0%に比べると増加率は鈍化しており,とくに年度後半の輸送量は停滞または後退の姿を示している。39年度の鉱工業生産指数は対前年度比13.5%の上昇を示したのに対し,輸送量の増加が少なかつたのは,39年度の生産の上昇が,輸出と在庫にかなりふり向けられたことの反映である。

  これに対し,旅客輸送量はこのような景気の動向に大きな影響を受けることもなく,国民生活の向上と産業経済の発展を反映して安定した増加傾向を示し,39年度において294億4,621万人,3,555億人キロとなり,38年度と比べて,それぞれ12.5%,10.4%の上昇を示し,38年度の対前年度比増加率8.6%および10.9%と比べてほぼ同様の増加傾向を示した。
  以上述べた国内輸送の動向を輸送活動指数(付加価値ウェイト,昭和35年=100)でみると 〔1−1−2図〕に示すように,貨物旅客の総合は201.7,貨物輸送は192.9,旅客輸送は218.6で38年度と比べてそれぞれ13.3%増,9.4%増,21.5%増となつており,先に述べた輸送量の場合とやや異なつた姿を示しており,一方,月別には貨物輸送における9月以降の下半期の低滞と,旅客輸送の堅調がみられる。


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