第5節 自動車販売事業


  自動車の流通経路は,車種によつて若干の相違はあるがおよそ 〔I−(II)−33図〕のとおりである。
  自動車販売会社は,本来メーカーのなかの販売業務部内が独立したもので,資本的にも,人的にもメーカーと密接な関係にある。販売会社の機能は,基本的には製品の配給,販売資金の調達と供給,販売網の管理と維持の三つである。大手メーカーで販売会社をもたない2社は,それぞれ信用保証会社,販売金融会社をもつているが,これは販売金融機能のみを切離して別会社をつくつているわけである。
  自動車販売店(デイーラー)は,新車の販売,中古車の下取と再販,部品の販売,アフターサービス,割賦信用の供与,登録業務の代行等多方面の業務を営み,自動車の流通機構の中核をなしている。
  販売代理店(サブデイーラー)は,販売店が自己の販売機構として利用しているもので,特に軽2,3輪デイーラーが利用しているが,これによる売上率は僅かである。
  自動車販売の特徴は,販売店がメーカー系列毎にはつきり分れ,いわゆる系列販売網を形成しており,したがつて中古車の場合を除けば,二以上のメーカーの製品が同一販売店によつて扱われることはなく,しかも同一メーカーの系列のなかでも取扱車種によつて2ないし4系統に分れている場合が多いことである。


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