3 自動車販売事業の今後の方向
自動車販売事業が健全な経営基盤の上にたつて自動車の流通部門を分担して
いくための課題として次のことが指摘されうる。
販売競争による,販売条件の悪化や中古車の高値下取り,過当サービス等は販売店の資金繰りを苦しくし,利潤を低下させているので,販売秩序を確立し,過度な販売競争を是正する必要がある。販売秩序の確立のため,割賦販売法による標準条件の公示が検討されているがこれらの施策とともに販売店相互間の協調はもとより,メーカー間の協調と生産体制の整備が必要であろう。また中古車販売の健全な発達を図るため,公正な中古車価格の策定や展示,販売のための施設の整備等による健全な中古車市場の育成が必要である。次に自動車の割賦販売に伴う販売金融を合理化する必要がある。現状のように販売店が金融機関類似の機能を併せ行なうことは,販売店の業務としては合理的でないから,消費者金融制度(オートローン)の拡充あるいは専門金融機関(自動車販売金融会社)の設立により,販売金融機能を分離独立させて別個の機関に行なわせることが望ましいと思われる。現在自動車業界において,中古車価格査定機関設置の準備が進められているが,本年は販売金融会社についても具体的検討が行なわれようとしている。
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