3 将来の航空機
超音速旅客機(SST)の計画は,英仏共同開発のコンコードと米国SSTの2機種に絞られる。コンコードについては,昭和37年11月,米国SSTについては,昭和35年末から計画が開始され,共に昭和45年太平洋又は大西洋等の長距離路線就航と発表されたが,前者はその計画が一時中断となり,また後者は,メーカーの選定,予算措置等のため計画がやや遅れぎみであり,共に当初の昭和45年就航の計画は若干遅れそうである。この両SSTの諸元は概略 〔III−31表〕のとおりである。世界各国航空会社の発注計画も逐次発表されているので,日本航空(株)も国際航空路線でのたち遅れのないよう,米国SST5機を発注することとし,既に前払金を米国連邦航空庁に供託した。
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このほか,ソ連においても最近TU144と称するSSTの設計を完成したと発表している。同機はコンコード機より性能がすぐれており,乗客120人を乗せ,2万メートルの高度を時速2,500キロメートルで飛行できるとのことである。SSTは太平洋とか大西洋上のような長距離路線に使用されるのが最も経済的であり,それ以下の比較的短い路線にはDC-8,B-707等が依然として使用されるものと思われる。
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