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第2節 運輸関係投資の需要造出効果
昭和40年度の国民総生産は約31兆円で,対前年度比10-1%増と前年度と比べるとやや伸び率が低下した。この伸び率低下の要因を主要な需要項目別にみると,個人消費支出,固定資本形成の伸び率の鈍化,および在庫投資の大幅減少が目立つている。すなわち,今回の不況現象の特徴は,39年度の引締めの影響が後を引いていることよりも,過去の設備投資ブームに基づく供給能力過剰経済の調整過程の性格が強いものである。
このような供給過剰による需給のアンバランスを解消し,景気回復のテコ入れとするために40年度において国家財政面からの積極的な需要の拡大政策が相ついで実施されたが,さらに41年度政府予算は景気対策としての役割が極めて重視されたものとなつた。
公共投資は,わが国において立ち遅れている社会資本の整備に役立つ上に各産業に対する需要造出効果が高いため,財政政策の中心として重要視されるものである。鉄道,道路,港湾等の運輸関係施設についていえば,これらに対する投資は急増する輸送需要に対処することが第の目的であるが,工事に対する資材の購入を通して各産業に需要を造出させるというもう一つの目的も同時に達成されることになる。
40年7月の景気対策としての財政投融資総額2,100億円り増額に際しては,国鉄200億円のほか,造船向けとして開銀融資280億円が認められた。40年度の運輸関係施設の公共投資額総計(鉄道,港湾,道路空港の投資予算額の合計から用地買収費等波及効果のみられない項目を推計して除外した。)9,672億円の波及額を昭和38年産業連関表(運輸関係分析用54部門)を用いて試算すると,総計2兆2,679億円と推定され,波及効果を強く受ける産業は,鉄鋼業,窯業,金属製品製造業等となつている。
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