第2節 輸送機能の分化


  輸送品目の多種多様化,輸送量の増大等,輸送需要の変化に伴い,各輸送機関は,それぞれの分野において大型化,専用化,高速化するなど輸送機能が分化して輸送需要に適合するようになつてきている。
  まず,輸送単位の増加によつて大型化傾向を示したものとしては船舶があげられる。 〔2−2−12図〕に示すように3万総トン以上の保有船腹量の伸びが著しい。

  航空機においてもピストン機からジェット機へと大型化し,さらに軍用大型ジェット輸送機C-5Aの出現と航空の面でも急速に進んできている。この積載量は現在の最大のジェット輸送機の積荷の約2.5倍であり,民間航空に導入されると直接運航費節減の面において画期的なものになるであろう。ついで専用化の傾向も船舶において顕著である。 〔2−2−13図〕に示すように,総船腹量に占める油送船および鉱石専用船の割合は全世界で,1960年の33%から,1965年には46%へと増加し,わが国では23%から42%へと急速に伸びている。

  鉄道においても,物資別の適合輸送の面から専用化が行なわれており,特殊需要に応じてセメント車,タンク車,冷蔵車等が使用されている。また,鉄道における総発送貨物に占める専用線からの発送貨物の割合は 〔2−2−14表〕のように,欧米諸国では75〜83%であるのに対し,わが国では55%とその比率は小さい。これは諸外国では鉄道輸送は大量貨物輸送に限定される傾向にあるのに対してわが国では鉄道輸送の分野に占める雑貨の比重がかなりあるためである。

  高速化の傾向は航空機の分野において著しい。ピストン機からジェット機への転換は急速に進み,1964年末でICAO加盟国を合計して1,000機以上のジェット機が就航し,供給量の72%も占めている。
  第15回ICAO総会報告書(1965年6月)によれば,国際線就航のジェット機はピストン機と比べて購入価格では約3倍であるが離陸重量では約2倍,巡航速度で約1.8倍,貨物積載量でも約1.5〜2.3倍となり,トンキロ当り直接運航費では約43%も安くなるとしている。従つて営業費に占めるトンキロ当りの直接運航費の割合は 〔2−2−15図〕に示すように年々低下しており,とくにジェット機投入の進んでいる国際定期の採算がよくなつていることがうなづける。さらに,長距離輸送のスピードアップには超音速機(SST),短距離輸送には垂直離着機(VTOL)が開発途上にあり,1970年代には就航も予想される。

  鉄道の分野においても高速化傾向は強いが,この分野ではわが国は各国にぬきんでている。すなわち主要国の鉄道の営業速度を比較すれば,わが国の新幹線ひかり号がアメリカ,フランス,ドイツの時速130キロ台を押えて164キロと第1位となつている。
  以上のような輸送機関の大型化,高速化等に伴い,交通事故発生の可能性が増大してくるので安全性の確保については交通環境の安全化や交通管制,援助施設の整備および検査業務の強化,または交通公害の防止等において保安対策が推進されている。


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