第3節 ユニットロードシステムの普及


  運輸近代化の一貫として輸送単位を合理的な大きさにまとめて輸送するユニットロードシステムが行なわれ,一貫パレチゼーション,コンテナリーゼーションとして普及されつつある。
  パレチゼーションは包装経費の節減,機械荷役が可能であること,戸口から戸口ヘの輸送が実現できること等の利点をもつて欧州において盛んに行なわれている。鉄道における総輸送量に対するパレチゼーションの占める割合は 〔2−2−16表〕にみられるようにスイスが13.4%,と最も比重が大きく他は10%以内である。また,スイスにおけるパレットプール加入の企業数は1963年には3,210と1960年の1.5倍に増加している。しかし,一貫パレチゼーションの普及にはまだパレットの規格化,パレットプール制等の問題が残されている。

  コンテナリーゼーションは完全包装の輸送容器であること,戸口か戸口ヘの輸送に適している等の利点をもつて非常な勢いで伸びている。西欧におけるコンテナ所有数(1960年)では,ドイツが欧州の約37%を占めている。鉄道所有のコンテナ数についてみるとドイツの約10万個が最大であり,他は大体1万個近い。当時のわが国の国鉄所有のコンテナ数は660個で西欧主要国とは比較にならないほど僅少であつたが,1965年には5,776個と約9倍にもなつている。
  コンテナの海上輸送は1953年頃からアメリカで急増し,1957〜8年頃からはコンテナ船による海上輸送が行なわれ始め,中にはコンテナ専用船のみで保有船腹を構成する船会社もあらわれて大きな成功を収めた。従来その航路は米国東岸とプエルトリコ,西岸とハワイ間が主であり,小規模には大西洋,太平洋航路でもコンテナの輸送が行なわれていたが,今年4月ごろから欧州航路に大規模なコンテナ輸送が行なわれ始め,日本〜北米を中心とした太平洋における定期航路としてのコンテナ船の配船も間近いものと思われる。
  コンテナの海上輸送の問題点としては内陸輸送方式への適合,空コンテナの返送費負担,コンテナの規格,空コンテナの管理および通関手続等,いろいろあげられるが,海上コンテナは荷役時間の短縮,船型の大型化可能,荷役費の減少,包装費の減少、その他,貨物の盗難,紛失の減少,輸送時間の短縮,上屋,倉庫費が不要等の長所があるので,種々の難関を突破しながら伸びてきている。
  また,戸口から戸口までの一貫輸送の観点から,異種交通機関との連絡方法が開発され普及している。これらは鉄道と道路輸送との間ではピギーバック,海上輸送と鉄道輸送の間ではフィツシィバヅク,航空と陸上ではバーディバックという名前で呼ばれている。
  アメリカにおけるピギーバック発展の推移は 〔2−2−17図〕に示すように1965年にはピギーバックの有貨発送車数は103万両と1960年の2倍に増加している。また,フランスにおけるピギーバック方式による輸送量も1964年には1960年の約7倍と顕著な伸びをみせている。さらに輸送方式の合理化による経費節減の例として艀による海上輸送方式,すなわち,バージラインシステムもあげることができる。

  バージラインシステムの特徴としては稼動率を高めることが可能,専用化が容易,浅吃水のため航路,岸壁等の諸施設費が安価にできる等があげられるが,反面,耐波性,耐航性が悪いとか,バージ用ターミナルが必要である等の欠点がある。しかし,アメリカにおける内陸水運では,輸送単位は1隻のバージに積載するだけの量(最低500トン単位)で動いており,石油および石油製品の輸送量が全体の46%も占めている河川もある。また,欧州におけるライン河(オランダ,ドイツ,フランス),エルベ河(ドイツ),ローヌ河(フランス),セーヌ河(フランス),ボルガ河(ソ連)等と各国ともパージラインを活用している。わが国においても瀬戸内海輸送または湾内輸送として伸びる性質をもつている。


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