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第2節 鉄道車両工業の経営概況
鉄道車両製造業中兼業部門の比較的小さい企業でしかも業界の主要企業5社の経営状態を,40年上期についてみれば次のとおりである。
売上高の対前期増減率においては,39年度上期及び下期においてそれぞれ8.9%,10.0%と大きく伸びたのに対し,今期は対前期0.1%の減少を示した。これは国鉄の発注が下期に集中したこと及び民需の減少による時的な現象ではあると思われるが売上総利益の実額はここ10期を通じて初めて増加を示さなかった。
つぎに収益関係の比率についてみれば総資本利益率においては37年上期の3.94%以降毎期低下を続け,前期においては2.69%まで低下したが当期は僅かながら好転し2.78%となつた。
総資本利益率の動向を総資本回転率と売上高利益率との関連からみれば,総資本回転率は前期0.70%に対し0.69%と微減したのに対し,売上高利益率は前期の3.87%から4.04%に大きく上昇したことが要因であり,一般製造工業が経済界一般の不況によつて,ここ4期連続して売上高利益率が低下しているのと対照的であり,車両工業の特性を示している。
売上高を100とする収支構成比についてみれば,売上原価の比率は前期の87,4%から86.5%と減少した。支払利息割引料は前期の5.8%から一挙に7.1%に上昇して金融蟹用の重圧が経営をますます圧迫していることを示している。しかし営業外収入もここ3期連続して上昇し,今期は6.5%となつている。
売上原価率の変化を製造総費用の対前期比でみれば,材料費は60.0%から60.5%と,また労務費は21.7%から21.9%とそれぞれ増大したのに対し,経費は18.3%から17.6%と縮少している。これは生産高の減少にともなつて,外注加工費の節減がはかられた結果である。
当期は売上高の減少にもかかわらず出荷額は微増したが,方期末従業員数は期首に対して8.2%と著増したため,価値生産性は前期の176万円から当期175万8,000円と減少した,また付加価値生産性は前期の50万1,000円から51万2,000円と上昇しており,38年上期以降,毎期上昇傾向を保つている。これを労働装備率と資本生産性との両面からみれば,労働装備率は設備投資の増加を従業員数の増加が上回つたために80万7,000円から77万8,000円に減少したのに対し,資本生産性は固定資産の増加を付加値値額の増加が上回つたため前期の62.01%から65.7%に増加している。
つぎに投資状況をみると,在庫投資は,原材料,貯蔵品に対するものが減少し,半製品,製品に対するものが増加したが,統計においては微増した。また固定資産投資については建物,機械,土地に対する投資がいずれも横ばいを続けており,投資水準は低くなつている。
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