3 営業用自動車の重大事故発生状況
自動車の重大事故は 〔I−(II)−30表〕のように前年に比し死者を除き,件数,傷者,損害も増加している。
![]()
さらに,これらの推移についてみると 〔I−(II)−2図〕のように全自動車事故同様漸増の傾向を見せている。
![]()
つぎに,これを事業の種類別にみると 〔I−(II)−3図〕のように,件数では,トラック,ハイタク,バスの順に多くなつているが,これを台数当りの発生率でみると,バスの事故発生率が最も高く1,000台当り31件,ついでハイタクの27件,トラックの16件の順となつている。
![]()
また,事故の種数では 〔I−(II)−4図〕のとおり衝突および死傷(通行人等当該自動車に乗車していない者を死傷させた事故)の2種類の事故で大多数を占めている。
![]()
これらの事故の原因についてみると 〔I−(II)−5図〕のように半数以上の事故が直接的に当該車両の乗務員の不注意によつて惹起されたものである。なお,車両の構造的欠陥によつて起つた事故は1.4%と僅少であるが,前年の1.1%と比較して増加していることは注目に価する 〔I−(II)−31表〕。車両欠陥事故のうち,自動車の安全運行に最も重要な制動装置,かじ取装置の欠陥による事故が未だ車両欠陥事故の約半数の46%を占めており,今時のこれらの装置に対する点検,整備等の一層の充実をはかる必要がある。以上のような事故の原因の背後には人と車の混合交通を行なつている道路が多いこと,車両数の増加に道路容墨が対応していないこと等の道路整備の立ち遅れ,ガードレール,踏切施設等道路諸設備の不備および運行管理上の欠陥等をあげることができる。
![]()
![]()
|