4 労働生産性の向上


  運輸サービスの産出量をみる場合には輸送量だけでなく,安全性,快適性,確実性なども重要な要素となるが,そのような質的な面での差異を無視して,産出量にトンキロおよび人キロをとつて労働生産性の推移をみると 〔1−4−11図〕のとおりである。外航海運における著しい伸びは船舶の大型化,専用船化,自動化などの技術革新とこれに伴う定員の合理化によるものであり,貨物自動車における伸びは,輸送距離の延伸化,輸送効率の向上などによるものである。一方,鉄道においては,東海道新幹線にみるような技術革新もあつたが,輸送需要の停滞などの原因によつて,労働生産性の向上はあまりみられない。旅客自動車については,ワンマンバスの普及,高速自動車国道による高速輸送など生産性を向上する要因もあつたが,ハイヤー・タクシーのように物的労働生産性の向上を指向しない部門もあり,全体としては停滞している。


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