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第2節 交通事故防止対策と救済措置
生活環境整備の一つとしての交通事故防止対策は,経済の効率化,物価の安定とならんで政府の三つの重大施策の一つである。運輸省関係の交通事故防止対策予算額は, 〔1−5−5表〕のとおりであり,交通安全施設の整備がすすんだ国鉄を除いて,41年度より平均33%多く交通事故防止対策費を計上して,交通事故防止対策にとり組んでいる。
交通事故防止対策としては,交通安全施設の整備,人的対策の強化充実,交通容量の増大,交通事故防止のための科学技術研究の推進等を図る必要がある。このため,従来から踏切道の整備および高架化の促進,車両の保安対策の強化,港湾・航路・航空保安施設の整備,交通安全思想の普及徹底等の措置を講じてきたが,42年3月18日英国西南部海岸沖で座礁した大型タンカーから流れ出した大量の油による莫大な被害の発生を契機として,大型タンカーの航行の制限,原油輸入基地の整備等の大型タンカーの事故防止対策があらたに望まれている。
なお,最近の新しい交通事故防止対策としては,大型ダンプカーの事故発生に対する交通事故防止のため「運行記録計」,「速度表示装置,二重ブレーキ」を42年9月以後逐次大型トラックに取り付けることを義務づけ,また,ダンプカーの使用について必要な規制と事業の協業化等を図ることにより輸送の秩序を確立し,交通の安全に寄与することを目的とした「土砂等を運搬する大型自動車による交通事故の防止等に関する特別措置法」(いわゆるダンプ規制法)が,43年2月から施行されるほか,学童,園児の通学路の安全対策,踏切道整備を一歩前進させることをおもな内容とした「通学路に係る交通安全施設等の設備及び踏切道の構造改良等に関する緊急措置法」が成立した。
国鉄,私鉄の踏切事故防止対策としては,41年度の国鉄事故の死者の全部,傷者数のうち95%が踏切事故による実情にかんがみて,自動車の通行可能な全踏切道に対して保安設備を整備すべく努力しており,大手私鉄では,ATS(列車自動停止装置)や踏切の整備など保安施設の大幅な改善を実施している。
以上の交通事故防止対策のほか交通事故を未然に防ぐには,気象業務の果たす役割も大きい。
つぎに被害者の救済措置としては,損害賠償保障制度の充実,海上救難体制の拡充,航空機の捜索救難体制の整備等があるが,近時,人命尊重の思想が高まつていることにより,損害賠償額が高額化していく傾向にあるため,自動車については,責任保険金額の支払補償限度の増額,航空については免責額の引き上げが望まれている。また船舶,航空機の大型化により,物的損害も増大する傾向にあるため,保険による危険分散を図る必要性がますます高まつている。
責任保険による被害者救済措置のほか,損害賠償を確実に履行できるためには,運輸事業者の経営基盤の強化も必要であろう。経常基盤の強化は,給与制度の改善,労務管理の徹底等とも密接に結びつき,交通事故防止に役立つことはいうまでもない。
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