2 海運同盟規制問題


  米国は,36年のボナー法による1916年海運法改正以降,海運同盟規制政策を一段と強化し,わが国を含む伝統的海運国との間に対立を生じた。連邦海事委員会によるボナー法の施行規則は,4年度中におおむね制定されたが,同施行規則が同盟活動の詳細について連邦海事委員会に届出,報告することを求めているため,その適用に関する法的トラブルが発生している。また米国の輸出貨物運賃が輸入貨物運賃に比較して高いため米国の輸出が阻害されているとする輸出入貨物運賃格差問題のなりゆきが注目されているほか,海上コンテナ輸送の進展に伴いこれに対する法的規制が検討されている模様があり,関係国間の十分な協議が必要とされよう。
  オーストラリアにおいては,近く独占禁止法海運条項が施行される見込みであるが,これは,荷主協議会制度を採り入れた新しい型の海運同盟規制として,その運用ぶりおよび発展途上国に与える影響がきわめて注目される。


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