第4節 通勤通学輸送東京・大阪などの大都市における都市交通は,ひき続く人口の大都市集中化しかも周辺部への遠心化にともない,周辺部から都心に流入する通勤人口は激増しつづけ,ますます混雑の度を加え,とくに通勤ラッシュや道路交通の渋滞は大都市の業務機能を低下させ,市民の通勤・通学輸送に著しい負担をきたしてきている。 都市鉄道の整備については,第2章第2節で述べるようにこれら輸送改善策として国鉄の第3次長期計画大手私鉄輸送力増強等5か年計画などにより都市鉄道の整備に努めているほか,地下高速鉄道網の整備,都声鉄道の相互乗入れを図つている。さらにひき続きラッシュ時の混雑緩和のため,時差通勤,通学の推進,(42年度実績 東京附近121万人,大阪附近37万人)入場制限等の一連の対策を行なつてきた。 この結果,主要区間のラッシュ時における混雑度は 〔I−(I)−9表〕 〔I−(I)−10表〕のとおりとなつており,国鉄については一部線区を除き運行面の対策が既に限界にきている一方抜本的な複々線化工事等がまだ工事途上であること等の理由で混雑度の緩和をみるにいたつていないが,私鉄についてはかなりの効果が認められる。
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