1 船員職業紹介状況


  船員職業安定所は,全国の海運局の本局及び支局のなかに合計51か所設けられているが,この安定所における近年の船員職業紹介状況は, 〔II−(II)−8表〕のとおりである。

  42年と41年を比較すると,求職数および,成立数は,ほとんど横ばい状態であるが,求人数は41年の36.595人に対し,加年は52,030人と約40%増加している。このような求人数の急激な増加は,船員の需給状態が著しくひつ迫してきていることによるものとみることができる。さらにひつ迫の度合を船種別の求人充足率からみると,汽船29.2%,帆船68.0%,漁船74.0%であり,汽船の充足率が極めて低く,しかも船員職業安定所を利用している汽船の大部分は内航船関係であるところからみて,内航船の求人が最もひつ迫しているといえよう。また,職種別には機関部および無線部の職員確保が問題となつている。
  このような船員の労働力不足に対処するため,船員職業安定所ではPR資料による広報宣伝,新規学校卒業者開拓のための学校訪問,公共職業安定所との連携強化,広域職業紹介の強化などの対策を講じて船員労働力の確保に努めているが最近における求人数の急増および充足率の低下が判然としており,船員職業安定所の機能の充実,強化が要請されている。
  なお船員保険の失業保険金の支給業務は,支給総数の80%を船員職業安定所で処理しており42年度には毎月約9,800万円を約3,000名の対象者に支給している。


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