1 収支状況および財務状況


  日本航空(株)の昭和42年度収支は, 〔III−13表〕のとおり国際線国内線ともに前年度に引き続き順調な推移を示している。

  営業収入は,両線あわせて845億3,500万円で前年度に比較すると26%の増収となつており,これに営業外収入を加えた総収入は,前年度比25%増の856億2,600万円であつた。一方,費用は前年度比20%増の753億6,100万円に止どまつたので,経常利益は,102億6,500万円となり,前年度に比べ88%の大幅な増益となつた。これを売上高経常利益率でみると12.1%であり,前年度の8.1%に比べ著しく向上している。
  また,国際線と国内線の構成比をみると,総収入のうち,国際線収入が73.2%,国内線収入が26.8%であり,さらに経常利益については,国際線利益が54.9%,圏内線利益が45.1%となつている。前年度の総収入に占める国際線収入の割合が75.0%,国内線同25.0%,また経常利益に占める国際線利益の割合が86.9%,国内線同13.1%であつたのに比較すると,42年度の大幅な増益には国内線の高収益が大きく寄与していることがわかる。
  ここで,国際線の収支状況をながめてみよう。
  42年度国際線営業収入は前年度比23%増の618億7,500万円,総収入は同比22%増の626億9,500万円であり,営業利益で79億8,200万円,経常利益で56億3,200万円の収益をあげたが,これは前年度に比べそれぞれ20%,18%の増益となつている。このように着実な収益をあげることができたのは太平洋線,ニューヨーク線,北回り欧州線および東南アジア線を中心とする旅客需要の根強い増大とそれに見合つた適度の供給増加によるものと考えられる。
  なお,国際線収入のうち貨物収入は,104億600万円で前年度に比べ28%の増収となつている。貨物収入の対前年度伸び率は,40年度の67%,41年度の45%に引き続き徐々に鈍化しているものの,毎年旅客収入を上まわる伸び率を示しており,また,国際線収入のうちに占める割合では,40年度14.4%,41年度16.1%,42年度16.8%としだいに比重を高めてきている。
  このような国際線の好調に加えて国内線の著しい業績向上があつたため,42年度には前述のとおり102億6,500万円の経常利益を計上することができたものである。しかしながら45年度以降には巨人機による大量輸送時代の到来が予想され,またアメリカの有力航空会社による太平洋線乗り入れも目前にせまつているなど,日本航空(株)の企業環境は急速にきびしさを増すものとみられるので,今から内部留保の充実に努め企業体質の強化を図る必要がある。このため,経常利益の中から,租税特別措置法第46条の2による海外取引に基づく割増償却を40億7,800万円,また法人税法第31条による特別償却を49億8,700万円それぞれ実施して内部留保を図つた。この結果,税引前利益は11億9,900万円,税引後純利益は7億4,400万円を計上,これに前期繰越利益を加えた当期末処分利益は8億4,100万円となり,前年度に引き続き民間保有株に対して6分配当を行なつた。
  なお,日本航空(株)の財務状況の推移は 〔III−14表〕のとおりである。42年度末の財務諸比率をみると,自己資本比率33%,負債比率196%,固定長期適合率93%,流動比率工114%となつているが,これを41年度末にみると,それぞれ29%,242%,96%,111%,また40年度末では,それぞれ27%,265%,99%,103%となつており,ここ数年間の急速な内部留保の進捗と毎年の増資により資本構成の是正がかなり進み,また財務面における安定性も高まりつつあることがうかがえる。


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