第4節 利用航空運送事業


  利用航空運送事業は,航空会社の貨物運賃の単位重量当り賃率が重量逓減制であることを利用し,荷主からは航空会社の運賃より低い運賃でその運送を引き受け,これをまとめてさらに低い運賃の大口貨物に仕立て,自ら航空会社に対しては荷主となつて運送を委託し,荷主からの収受運賃と航空会社への支払運賃との差益を得ることを目的とする事業であつて,航空貨物混載業とも呼ばれているものである。
  利用航空運送事業は,昭和35年の航空法の改正により,免許(日本人)または許可(外国人)を必要とすることとなつた事業であるが,現在,この事業の経営を行なつている者は,日本人の国際線事業者が5社,同国内線事業者が12社(このうち1社は,国際線を兼営している),外国人の国際線事業者が5社となつている。
  これらの事業者は,国際線において,米国,カナダ向けの太平洋貨物のほか,欧州向け,東南アジア向けの貨物も取り扱つている。
  国内線においては,幹線,ローカル線貨物ともに取り扱つているが,その大部分に幹線におけるものである。
  42年度におけるこれら事業者の取り扱つた貨物(いわゆる混載貨物)の輸送実績をみると,まず国際線においては,受託件数3工5,858件,仕立件数33,177件,取扱重量6,019トンとなつており,前年度に比較して,重量において33%の増加であり,41年度の20%を上回る伸び率を示している。また,この混載貨物は,わが国発の国際線の総貨物重量の28%にあたるものであり,41年度の同25%より3%上昇して混載貨物の願調な成長を物語つている。さらに,荷主から受託した1件当りの平均重量をみると約19キログラム,混載貨物として仕立てた平均重量は188キログラムとなつており,41年とほとんど変りない。
  つぎに,国内線にあつては,受託件数2,469,979件,仕立件数169,682件,取扱重量28,161トンであり,重量において前年度に比べ33%の増加であつたが,伸び率としては前年度を若干下回つている。しかし,シェアーでは国内総航空貨物重量の53%を占め,前年度のそれをわずかながら上回つた。
  このうち,85%は幹線において取り扱つたものであるが,対前年度伸び率では30%に止どまり,ローカル線の44%を下回つている。
  さらに,受託した貨物の1件当たり平均重量は11キログラム,仕立てた貨物の1件当り平均重量は166キログラムとなつておりわずかながら大口化の傾向がみられる。
  以上が42年度の混載貨物輸送実績の概況であるが,国際線において順調な成長を続けている混載貨物が国内線において若干伸び率の鈍化がみられるのは,ローカル線において新規路線の開設が従来ほどみられないこと,既設路線もようやく開発期を過ぎて需要が安定してきたことのほか,貨物輸送需要の夜間集中から生ずる需給のアンバランスにより積み残しが出ていることも原因の一つとみることができる。貨物の輸送需要が夜間に集中することについては,最近とくに業界において問題となつているが,関係者は今後旅客の動向をもみながら,限界にきた夜間の貨物輸送力の増強,出荷時間の平均化等について,早急に対策を検討する必要があるものと思われる。

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