1 世界の航空輸送界における航空機の就航状況および機材の発注,引渡し状況


  昭和42年12月末現在,ICAO加盟国の航空会社が使用している最大離陸重量9トン以上の航空機の総数は6,229機で,その内訳はターボ・ジェット機が2,206機(全体の35.4%),ターボ・プロップ機1,335機(同21.4%),ピストン・エンジン機2,688機(同43.2%)となつている。傾向としては,ターボ・ジェット機が増加する一方,ピストン・エンジン機が減少し,ターボ・プロップ機はあまり変化がないことがうかがえる。また,各種機材の有効トンキロからみた輸送力の割合は,機数において35.4%を占めるターボ・ジェット機が年間輸送力の84%と大部分を占めており,残りの11%をターボ・プロップ機が,5%をピストン・エンジン機がそれぞれ提供しているにすぎない。
  つぎに,42年における新しい機材の就航状況についてみると,ジェット機は516機(旅客機327機,貨物機189機)の引渡しが行なわれた。ジェット旅客機のうち184機が双発のDC-9,BAC-111およびカラペルであり,4発機はボーイング707,DC-8-60等90機で,3発機は主としてボーイング727で52機であつた。また航空会社へ引渡さたターボ・プロップ機は160機で,このほとんどすべてが双発の短距離用の機材でDC-3その他のピストン・エンジン機を代替するものである。また,この年発注されたジェット機の数は,合計553機で前年よりも少なく,その内容は前年同様DC-9およびボーイング727が最も多く,両方で167機であつた。また,490人乗りのボーイング747いわゆるジャンボ・ジェット機およびDC-8の胴長改造大型機すなわちDC-8の60シリーズに対する発注は,それぞれ29機および47機と前年より減少した。
  ICAO加盟国の航空会社に引渡されたジェット機の42年12月末現在の累積総数は2,263機に達し,現在発注中の1,155機の引渡しを完了すれば,引渡済みジェット機数は3,48機となる。4発,双発および3発の旅客機の割合はそれぞれ全体の37%,29%および17%となり,残り17%は貨物機である。


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