第1節 国際観光年
国際連合は,昭和41年11月4日,その第21回総会において1967年を「国際観光年」と指定する旨の決議を行なうとともに,世界各国に対し,観光が教育,文化,経済,社会等の諸分野に果たしている役割を各方面に認識させ,かつ,観光振興に関する諸施策の推進に努めるよう要請した。
わが国においては,国際連合による国際観光年宣言の行なわれた直後,内閣総理大臣のメッセージを発表して,国際観光年の受入れ協力の立場を明らかにした。そして,42年2月の観光対策連絡会議において,入出国手続の簡素化・合理化,国際観光地および国際観光ルート整備5か年計画の推進,観光資源の保護,観光族行の安全の確保,観光旅行の円滑化,国土の美化,観光に関する普及啓蒙、国際観光年に関する広報の8項目からなる「国際観光年に関する基本方針」を決定し,これらの諸施策にとくに重点をおいて,その効果的な推進,実施を図ることとした。
また,運輸省では,記念行事の企画にあたるため,関係省庁および観光関係団体をもつて構成する国際観光年企画委員会(会長,運輸省観光局長)を設置し,同委員会は,国際観光年記念大会の開催,観光資源保護状況の実態調査,東南アジア諸国政府観光機関職員に対する集団観光研修,海外への観光宣伝隊の派遣,同時通訳養成講座の開催等,54項目におよぶ国際観光年記念行事および施策を策定する等,国際観光年の推進のため中心的役割を果たした。一方,41年10月設立された財団法人「官設観光機関国際同盟東京総会及び国際観光年記念行事協力会」は,国際観光年記念行事の準備および実施にあたり,それに必要な資金および物品の調達を行なつたほか,一部記念行事を実施した。
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