|
第5節 鉄道事故防止の問題点
鉄道事故防止対策については,第4章第2節に述べたところであるが特に人の死傷,物の損傷又は輸送に多大の被害を及ぼす列車衝突,列車脱線等の列車事故と踏切事故については,最重点に採り上げて対策を推進しているところであり,特に本年2月,運輸大臣あてに提出された鉄道事故防止対策委員会の意見書の内容については,今後十分検討の上早急にその対策を推進しなければならない。しかし,これら対策推進に当つては,鉄道関係者のみの努力では,その実施が困難なものがあり,これらを解決するためには,政府並びに国民全体の協力が必要であり,これについて鉄道事故防止対策委員会の意見書から列挙すれば次のとおりである。
1 幼年期からの人間の意思的な行動に関する教育の充実
2 従事員の社会的地位の向上
3 乗務員の住居地と勤務地との関係の改善
4 労使相互の信頼関係の確立
5 鉄道経営に対する利用者の理解協力と国の財政措置
6 科学的な事故防止諸対策の研究,開発
また,踏切事故防止については立体交差化と踏切道の整理統合により踏切道をなくすることが最良の策であるが立体交差化については,工事費に巨額な資金を要するのでその実現に困難性を伴うという問題があり,また,踏切道の整理統合,交通規制等については,地元民,道路管理者,公安委員会等関係者の協力がなければならない等の問題点を含んでいる。
|