3 国産機の動向


  国産機を大別すると,わが国独自の設計によるものと,外国航空機メーカーとの技術提携によつて製造されるものとに分けられる。
  前者は,YS-11,MU-2B,FA-200等の飛行機であり,後者はベル47シリーズ,KV-107,ベル204B等のヘリコプターである。
  日本航空機製造(株)で生産されているYS-11型機は,原型機と有効搭載量を1トン増加したYS-11A型の2種類あり,50号機以降はYS-11A型で44年7月まで両型式合わせて,111機生産された。納入先は,国内では日本航空(株),全日本空輸(株),日本国内航空(株),東亜航空(株),運輸省,防衛庁等へ58機,海外へはアメリカ,カナダ,アルゼンチン,ブラジル,韓国,フィリピンの各国へ44年7月現在42機輸出されている外,現在この他の諸国からも多数購入の引合いが来ている。これらの需要にこたえるため,生産計画を182機とし,現在は月産2.5機のペースで生産されている。
  三菱重工(株)で生産されているMU-2B型機は5種類の型式があり44年7月までに118機が生産された。納入先は,生産機の大部分が海外向けで北米へ99機オーストラリヤへ1機,欧州へ5機輸出されており,国内には防衛庁等へ数機納入されている。
  現在生産中の型式は,高性能のF型と客室の広いG型に集中し,月産6.5機のペースで生産が進められている。
  富士重工(株)で生産しているFA-200型機は,原型機と馬力向上型の2種類の型式がある。44年7月迄に51機生産され,曲技飛行が可能な軽飛行機であるため訓練,スポーツ用に適しており,国内25機,オーストラリヤへ19機スウエーデンへ1機納入されたが,今後の需要増に対処して月産6機のペースで量産が進められている。
  川崎重工(株)が米国ベル杜と技術提携して生産している川崎ベル47シリーズ型ヘリコプターは,44年7月までに390機が生産され,264機が国内民間用,90機が防衛庁用,36機が輸出用であつた。製造開始後16年を経過しているが今なお旺盛な需要があるため月産2.5機のペースで生産されている。
  このほか,川崎重工(株)が米国ボーイング社及びヒューズ社とそれぞれ技術提携して生産しているKV-107-II型および川崎ヒューズ369HM型ヘリコプター三菱重工(株)が米国シコルスキー社と技術提携して生産しているS-62およびS-61型ヘリコプターがある。


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