第3節 運輸事業設備投資の状況


  民間設備投資はここ数年20%を超える高い伸びを示し,44年度は前年度比24%増と高水準の増加を示した。
  これに対して,運輸事業の設備投資は 〔1−3−8表〕に示すとおり,44年度は,43年度にくらべ16.2%増の6,756億円であった。
  設備投資額の前年度比を業種別にみると,海運業,航空運送業,ホテル業が20%を超える高い伸びを示した。民営鉄道業,トラック事業,港湾運送業は伸び率が低下したものの10%近い着実な伸びを保った。また,バス事業,倉庫業も10%近い伸びを示した。一方,通運事業,自動車道事業,自動車ターミナル業は減少した。
 (1) 海運業においては,その投資額の約90%は船舶建造のためである。外航船舶では,コンテナ船を含む定期船や専用船に特に増加がみられ,44年度における海上輸送量の大幅な増大,44〜50年に2,050万総トンを建造する新海運政策が,設備投資意欲を高めている。
  44年度の計画造船量は57隻,247万総トンであり,43年度に比べ総トン数で7%の増加となつた。また,自己資金船の建造も125万総トンであり,前年を上回つている。
  内航船舶においては,旅客船,専用船の増加がみられるとともに,最近注目を集めているカーフエリーに対する投資は2倍以上になつている。
 (2) 航空運送業は,最近の航空輸送需要の急激な増大とジヤンボ・ジエツト機,国内用ジエツト機の就航等の要因にささえられ,可動施設,地上施設ともに上昇を示した。

 (3) 民営鉄道業においては,土地に対する投資は減少したが,建物,線路,電路停車場等の諸設備に対する投資が増大しており,また継続工事の比率も高い。
  大手私鉄14社による42年度を初年度とする輸送力増強5カ年計画は,44年度でその前半を終了したが,3年間の投資額の累計は約2,509億円で,計画投資額4,887億円に対して,進捗率は51.3%となつている。
  しかし,過去における設備投資の大幅な伸びに対して,旅客輸送量の伸びは低く,このため民営鉄道業の経営状態は良好とはいえない。このことも影響して,44年度の設備投資の伸びは鈍化している。
 (4) ホテル業は,万国博の開催の影響もあったが,関東,東海,近畿と大都市周辺で2倍近い伸びを示している。また,ジヤンボ・ジエット機の就航など,海外との交流の活発化に備えるため,新規,継続ともに投資は活発である。
  運輸事業の設備投資々金調達実績は, 〔1−3−9表〕のとおりである。44年度は,内部資金1,848億円,外部資金4,909億円となり,43年度にくらべ内部資金は26%増外部資金13%増と内部資金の増加が大きかった。44年度の設備投資資金に占める内部資金の割合は,27.3%と43年度にくらべやや上昇した。また,外部資金のうち株式による資金が増大しているが,これは44年度における海運業の増資によるものである。


表紙へ戻る 目次へ戻る