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第2節 海洋開発用機器の開発
食糧資源,鉱物資源などの長期需給源として,また生活圏拡大の場として,海洋は地球上に残された大きな未開発地域である。従つて海洋開発は,近い将来における人口の膨脹と産業経済の急速発展が予測される人類社会にとり極めて重要な意義を有するものである。しかしながら海洋を積極的に開発利用するに当つては,広大かつ複雑な海洋の実態を把握するとともに,海洋開発のための新しい技術を開発することが必須の条件である。運輸省の業務は海洋に関する科学技術と密接なつながりを持つものが多く,なかでも水路,気象業務の海洋環境の調査,観測と造船,港湾技術の分野は海洋開発の母胎をなすものであり,今後わが国の海洋開発の推進に当つて運輸省が果たすべき役割は極めて重大である。特にわが国において立ち遅れのある海洋工学の分野については,現在世界水準の先端をゆく造船技術を中核として発展向上させることが極めて有効であり,同時にまた造船業及び関連工業の海洋開発への進出はこれらの産業にとつて新しい分野を与え,輸出等を通じて国民経済的役割を果すことが大きく期待される。
運輸省はすでに41年当時から大陸棚開発用作業船の技術開発の必要性を指摘し,(財)日本舶用機器開発協会を通じてその基礎的な調査研究を推進して来たが,43年以降は広く海中,海底を含めた海洋開発用機器全般に亘つての調査研究を促進して来ている。
一方,43年10月に海洋開発の重要性とそれにともなう科学技術開発の必要性から内閣総理大臣が海洋科学技術審議会に諮問していた「海洋開発のための科学技術に関する開発計画について」の答申を得た。ここでは,(1)日本周辺大陸棚海底の総合的基礎調査,(2)海洋環境の調査研究および海洋情報の管理,(3)海中栽培実験漁場による栽培漁業技術の開発(4)大深度遠隔操作掘削装置等に関する技術開発(5)海洋開発に必要な先行的,共通的技術の研究開発の五つのプロジエクトを国が主導的役割を果たしつつ各方面の総力を結集して行なうべき課題として取り上げ,関係機関の緊密な連携の下に推進する必要があるとしている。このうち,運輸省が海洋開発用機器の開発という面で関係しているものは,主として(5)の海洋開発に必要な先行的,共通的技術の研究開発であり,45年度では船舶技術研究所において基礎的研究の必要性から海洋開発用機器の研究開発を進めているところである。
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