第1節 70年代の空港整備の方向づけ
わが国における航空輸送需要は,ここ数年来急激な膨張をとげてきたが,44年度については国際線280万人(昨年度比35%増),国内線1,200万人(昨年度比40%増)となつている。わが国経済の高度成長と国民所得水準の上昇とともにこの傾向は今後とも続くものとみられ,昭和50年度には国際線1,000万人,国内線4,000万人(新経済社会発展計画による)さらに昭和60年度には国際線4,000万人,国内線1億2,000万人(運輸政策懇談会総合部会中間報告による。)の航空需要が予想される。
一方航空機材は需要の質,量両面の要請にこたえて高速化,大型化の方向にあり,国際線についてはすでに本年3月よりジヤンボジエツトが羽田に就航し,さらに超音速旅客機コンコードの活躍する日もそう遠くはないものと思われる。国内線についても都市間の時間,距離を短縮するために国内航空路網のジエツト化が進むとともに急増する需要に対処してエアバス等大型機の導入が急がれている。
現在,空港の整備は,昭和46年度を目標年度とする空港整備5ヵ年計画に基づいて行なわれているが,このような航空における大量高速輸送時代の到来に対処するために長期的な展望に立つた空港整備の長期計画を策定する必要がある。この長期計画においては現在直面している諸問題の解決を図るとともに今後の見通しの上に立ち,以下の諸点を柱として計画を進めることが必要である。
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