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第3節 ホテル・旅館業をめぐる環境変化への対応
邦人及び外人の業務・観光旅行需要の急速な増大に伴い,ホテル需要も著しく増大している。国際観光ホテル整備法に定められた一定の施設基準に適合する登録ホテル(昭和44年末における全国のホテル総客室数の68%を占める)の年間利用率は,全国平均で昭和35年の64%から44年には81%に達し,とくに京浜地区では,94%という異常なまでの高水準となつている。ホテル需給における基本的な問題は,急速に増大する需要に対し,供給が大都市を中心に絶対的に不定していることであり,とくにビジネス客を中心とする邦人のホテル需要の増大と,米国人を中心とする来訪外客の大衆化という需要サイドの基調変化に供給サイドが対応しえなかつたため,低料金ホテルの整備が立ち遅れていることが指摘される。戦後外貨の獲得が至上命令とされ,ホテル整備に対する政府の助成策も,外客接遇のための国際観光施設整備という観光から行なわれてきたが,今後においては,都市機能の充実,地域開発の促進等の観点からもその整備を促進する必要があろう。
このほか,労働力不足の一層の進行に伴なつて,ホテル従業員の確保難およびそれに伴なう質の低下,人件費の上昇等の従業員問題も一層大きな課題となる。中高年齢層の活用,パートタイマー,請負い制の活用等労働力の求め方の変化,サービスの簡素化,コンピユーター等機械化による省力化合理化が進展するとともに,ホテル従業員の養成,研修を目的とするホテル学校の設立についても各方面において検討されることとなろう。
また,ホテルの大規模化,チエーン化,コンピユーター利用による宿泊予約システムの進展やホテル専業資本以外の進出,外資の進出,日本のホテル企業,航空企業による海外でのホテルの建設と運営等が進展する可能性があり,ホテル業はめまぐるしい変革の時代に突入しているといえよう。従つて,会計準則の整備等をはじめとする合理的近代的なホテルの経営管理方式を積極的にとり入れていくことが必要であろう。
なお,旅館業については,都市旅館を中心としてホテルへの脱皮の動きをみせており,またモータリゼーシヨンの進展に伴つて健全なモーテルも発展することが予想されるが,旅館,ホテル側としても駐車スペースを設けるなど対応措置を講ずることが予想される。
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