3 自動車工業
わが国の自動車工業は経済の着実な発展による輸送量の増大および生活水準の向上にささえられて大きな発展を遂げ,46年度の四輪車生産台数は588万4,000台となつた。
しかし,四輪車生産台数の伸び率はここ数年鈍化の傾向にあり,46年度においても景気停滞,自動車重量税の実施等の影響を受けて国内需要は減退し,その伸び率は前年度に比べ7.9%増と45年度の12.5%増を下回るに至つた。
車種別にみると,乗用車の生産は前年度比12.9%増とその伸びが目立つたものの,トラツクは横ばい,バスについては45年度に比べ29.4%減と大きく落ち込んだ。
このうち輸出については乗用車を中心として,毎年飛躍的に増加しており,46年度は192万1,600台と前年度比57.0%増という好調な伸びを示した。これはわが国自動車の品質,性能の向上とともに,北米,ヨーロツパ等の有力市場での販売網,サービス網の拡充によつて国際競争力が大いに高まつたことによる。
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