第1節 全国新幹線鉄道網の整備


  現在,国鉄で建設中の山陽新幹線(岡山・博多間約400km)を別として,全国新幹線鉄道整備法に基づき建設を開始すべき路線として基本計画が定まつているのは,北海道新幹線(青森・札幌間),東北新幹線(東京・青森間),上越新幹線(東京・新潟間),成田新幹線(東京・成田間),北陸新幹線(東京・富山・大阪間),九州新幹線(福岡・鹿児島間)の6新幹線であり,そのうち整備計画が決定し,工事実施計画を認可している路線は東北新幹線(東京・盛岡間496km),上越新幹線(大宮・新潟間270km)および成田新幹線(東京・成田間65km)の3線であり,いずれも昭和51年度しゆん工予定となつている。
  この3線の建設には,東北新幹線については日本国有鉄道が,上越新幹線および成田新幹線については日本鉄道建設公団が当ることとなつており,東北および上越新幹線については,46年工事に着手している。これら3線の建設規格は,電車運転方式とするが,最高設計速度は260km/hとして,それに対応した諸設備とすることとしている。完成の暁には,東京・盛岡間の6時間が2時間30分に,東京・新潟間の3時間55分が1時間40分に,また,東京・成田間の1時間が30分に大幅に短縮されることとなる。
  建設工事費については,東北新幹線8,800億円,上越新幹線4,800億円,成田新幹線2,000億円となつており,総計1兆5,600億円必要であるが,46年度予算では国鉄に東北新幹線の建設費として,35億円,鉄建公団に上越および成田新幹線の建設費として,40億円,計75億円,47年度予算では同様に国鉄に500億円,鉄建公団に450億円,計950億円が計上されている。
  また,北海道新幹線,東北新幹線(盛岡・青森間),北陸新幹線,九州新幹線については,全国新幹線鉄道整備法に基づき,国鉄および鉄建公団に対し,輸送需要量に対応する供給輸送力,地形,地質,工事費等に関する調査を指示し,現在調査中である。調査費は,47年度予算において国鉄および鉄建公団にそれぞれ3億円づつ計上されている。
  なお,以上のほか,47年5月2日に開催された鉄道建設審議会において,福岡・長崎間の新幹線についても,早急に基本計画に組み入れることが適当である旨の建議がなされている。

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