第3節 貨物運送事業の中小企業対策


  トラック輸送は労働集約率が高く,生産性の向上にも限界があり,ここにおいては大資本が参入することも少なく,大資本へと成長することも少なかつた。保有車両100両以下の小規模事業者は,現在,全事業者の98%に達している状況である。したがつて,物流の近代化をはかるためにはその前提としてトラック事業の体質強化をはかることが是非とも必要である。
  このため,中小企業近代化促進法に基づいて41年度を初年度とする近代化5か年計画を作成し,46・47年度も構造改善事業への移行のつなぎとして延長してきている。
  この近代化実施計画により事業協同組合への参加率も高まり,組合の事業活動も当初は資材の共同購入が主であつたが,共同施設の設置,運営,共同配車,共同受注等高度なものへと移行してきたことが注目される。 〔I−(II)−13表〕が組合の事業活動の概要である。

  また,電子計算機の導入による共同計算事業も経営の合理化の一環として運輸省の指導のもとに実施に移されようとしている。
  しかし,中小企業の協同化を通しての物流の近代化の成否は,その団体の結合度に依存すると思われるが,いまだ十分とはいえない。
  なお,通運事業においては,全事業者約1,000社のうち90%は資本金5,000万円以下の中小企業であり,しかもその取扱数量の全体に占める割合は30%程度にすぎない。これら多数の中小企業をかかえる通運業界において通運事業全体の発展のためには中小企業を近代化することが急務となる。
  このため,40年4月通運事業を中小企業近代化促進法に基づく指定業種とし,41年6月中小企業近代化基本計画(6カ年計画)を策定した。これに基づき毎年度実施目標を掲げ近代化を図つてきたが,本年度をもつて一応6カ年計画が終了した。
  本年度実施した主な項目は次のとおりである。
 (1) 通運作業,とくに荷役についての機械化の推進
 (2) 労務管理を近代化し,労働力を確保するとともに経営合理化に資する。
 (3) 共同化の推進および経営基盤の強化
 (4) 国鉄の財政再建計画,貨物輸送の近代化の諸施策に対処するため主に小駅における通運事業対策の策定
  荷役作業の機械化については,46年度における機械化率(機械荷役数量/貨車積卸量×100)が80%に達した。
  また,共同作業の実施状況をみると,共同積卸作業を実施している駅は,2つ以上の通運事業者が免許を有している駅のうち,車扱2.3%,コンテナ扱36.3%,小口混載扱19.7%となつており,共同集配作業については,車扱1.4%コンテナ扱4.4%,小口混載扱6-1%となつている。今後,共同作業のより一層の推進が望まれるところである。この6ヵ年計画において,事業者自身が企業の合理化,近代化を阻害している要因に気付き,近代的な経営意識に目覚め始めたことは最大の成果といえよう。今後,国鉄の貨物駅集約化,拠点駅整備等の諸施策の推進に対して通運事業者自身が,これら諸施策に十分対処できる体制および体質改善を図る必要が一層大きくなつてくるであろう。


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