6 近海船
近海一般貨物船の大宗貨物である南洋材の輸入量が45年後半よりの景気後退,とくに国内木材市況の停滞と合板業界の不振のため44年,45年の対前年伸び率は19.7%,15.2%であつたが,46年では3,8%の微増にとどまつた。
一方,近海一般貨物船は41年度から45年度までに約260万重量トンが建造され,46年4月現在で保有船腹量は320万重量トンに達した。この結果,近海一般貨物船は昨年度から船腹過剰の状況に陥り南洋材運賃は代表的な東カリマンタン地区を例にとると1m3当り42年から45年までは11.50ドルであつたものが46年8月には8ドルにまで落込んだ。
このような異常事態に対処するため関係業界においては近海一般貨物船の建造停止を決定するとともに,46年10月から月間約60万重量トンの自主停船を行なつてきたため,47年度になつて運賃がようやく回復しつつあるが,依然として慢性的な船腹過剰は解消されていない。今後の木材需要の見直し等からみて,近海一般貨物船業界は船腹過剰からの脱却は困難と考えるので老朽船の解撤等過剰船腹対策の実施を検討する必要がある。
|