2 労使関係の動向
全日本海員組合と,各船主団体,すなわち外航2船主団体(外航労務協会,外航中小船主労務協会),内航2船主団体(火曜会,一洋会),全国内航船主協会,および漁船船主労務協会との47年度労働協約改定交渉は期限満了日の3月31日までに妥結をみるに至らず,いずれも決裂し,全内航は船員中央労働委員会に調停申請を行なつた。
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今回の労使交渉をふり返つてみると,組合が昨年の執行部交代後の大会で決定した海上労働にふさわしい賃金と人間性の回復を主張したのに対し,船主側は昨年以来の景気後退とドルシヨツクによる損失等から賃金の大幅な値上げは困難であると主張し,双方の主張が大きく食違つたことが直接的原因といえるが,船舶の大型化,自動化を契機にする合理化,および人間性疎外感という問題をめぐる労使の不満ないし不信も交渉を困難にした背景の一つとして見逃せない。
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