1 沖縄の港湾の現状
多数の島からなる沖縄においては船舶交通のもつ役割には重要なものがある。このため沖縄には46の港湾が存在しており,このうち重要港湾として指定されたのが運天,那覇,平良および石垣の4港,地方港湾が避難港の安護の浦および船浮を含め42港である。港湾管理の主体別にみると那覇,平良および石垣の3港がそれぞれ那覇市,平良市および石垣市の管理であり,残りの港湾はすべて県の管理となつている。
港湾の収支状況はかなり良好な状態にあるが,これは港湾施設の使用料が本土よりかなり高い水準にあること,従来港湾の整備があまり行なわれず,既存施設の運営のみを行なつてきたためによる。
沖縄の港湾を港湾施設についてみると,現時点では量的にも質的にも十分とは言えない状態である。1万総トン級の船舶が接岸できる港は那覇港しかないし,岸壁あたりの港湾取扱貨物量も本土の主要港の平均より多く,狭い埠頭で雑然とした貨物取扱いが行なわれている。
また地方港湾の多くは,みるべき港湾施設を持たず,港によつては砂浜に船が直接寄つている所があり,リーフが発達しているために潮をみて利用している港も多い。沖縄は台風の常襲地帯であり本土における以上に避難港の役割は重要であるが,大型船が避難できるような港はなく避難港の整備は十分ではない。
このような施設の量的,質的立遅れれに対処して,47年度においては,事業費約25億3,000万円(うち国費約25億円)を予定している。
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