3 自動車工業


  我が国の自動車工業は,経済の着実な発展による輸送量の増大及び生活水準の向上に支えられて大きな発展を遂げ,47年度の四輪車生産台数は 〔5−14図〕のように653万4,000台となつた。

  四輪車生産台数は,国内需要の減退によりここ数年鈍化の傾向にあつたが,47年度後半からの景気回復もあり,47年度の伸び率は前年度に比べて11.0%増と46年度の7.9%を上回る伸びを示した。車種別にみると,乗用車は前年度比9.6%増とその伸び率は,近年減少傾向にある。トラツクについては13.6%増,バスについては46年度の前年度比29.4%減に比べて13.2%増とかなり大きい伸びが目立つた。また,軽四輪車の占める割合を新車届出台数でみると45年度以前は29%前後であつたが,46年度以降は漸減傾向にあり,47年度は約99万台と21%台と車種の上級化の傾向がはつきりとうかがえる。生産台数のうち輸出については,乗用車を中心として毎年飛躍的に増加していたが,47年度は196万1,700台と前年度比2.1%増と46年度比の57.0%増に比べて大きく落ち込んだ。我が国の自動車輸出が行われるようになつて輸出の伸び率が20%を大幅に下回つたのは47年度が始めてである。これは46年末の円切り上げ,輸出貿易管理令の発効等,更に長期化した海員スト影響によることも考えられる。


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