1 自動車ターミナル


(1) 現況

  自動車輸送の合理化,効率化を図り,あわせて大都市の交通混雑の解消に資するため,自動車ターミナルの整備が進められている。自動車ターミナルの現況は 〔I−(II)−19表〕のとおりであり,昭和46年度に比べてバスターミナルは14か所トラツクターミナルは50か所増加した。バスターミナル,トラツクターミナルはともに専用ターミナルが大部分を占めており,その規模は依然として小規模のものが多く5バース以下のものが全体の71%を占めている。

  バスターミナルは,バス旅客需要の大きい大都市の都心部での整備が遅れているが,これはバスターミナルが都心部の適地にかなりの規模の用地を確保する必要があること及びその建設には多額の用地費と建設費を要するうえ将来の需要増大を考慮しての先行投資となること等の理由によるバスターミナルを建設し難い事情があるからであろう。しかしながら輸送力の確保,旅客の利便と安全を確保するためには,今後いつそう整備を推進していく必要があり,近時バスターミナルの緊要性が各方面から認識されつつあり,各地において地方公共団体等を中心にバスターミナルの建設構想が検討されており,これまでに比べ今後バスターミナルの整備は漸次進展していくものと思われる。
  また,トラツクターミナルは,路線トラツク輸送需要の増大に伴い,一般ターミナルの整備が急速に進められているが,なかでも京浜トラツクターミナル,板橋トラツクターミナル及び東大阪トラツクターミナルは,大規模トラツクターミナルとして,大きな役割を果たしている。更に近年,都市間幹線道路流通業務団地等の整備とあいまつて,大規模なトラツクターミナルの整備計画が東京,大阪をはじめ大都市の周辺及び地方都市について策定され逐次実施に移されている。
  なお,自動車ターミナルの整備に際しては,最近における環境問題に対する社会的関心の高まりに対応して,大気汚染騒音,振動等の自動車による環境汚染が,地域住民の生活環境を悪化させることのないよう十分配慮してゆく必要がある。

(2) 自動車ターミナル事業

 イ 事業の概要

      バスターミナルは比較的事業規模の大きいものが多いがトラツクターミナルはいまだ中小企業者による小規模のものが大半を占めている。これはバスターミナルが私鉄等の大手企業者により経営されていることが比較的多いことによるものであるが,近時トラツクターミナルにおいても,いわゆる第三セクターの進出等により,その事業規模は大規模化する傾向にある。
      自動車ターミナル事業者の経営内容については,まず,収入についてみるとバスターミナルにおいては,営業収入中,付帯事業の占める割合が約90%にも達しているのに対し,トラツクターミナルにおいては約50%となつている。これは,バスターミナル事業においては,乗降客等一般大衆を対象とした食堂,売店等収益性の高い付帯事業が大きな比重を占めているのに対して,トラツクターミナル事業においては,その性格上付帯事業の内容が自動車整備施設及び運転手等を対象とした必要施設にかぎられているからである。
      つぎに,支出についてみると,バスターミナル,トラツクターミナルとも支払利息及び償却費の占める割合が高く,先行投資に多額の資金を要することを示している。

 ロ 自動車ターミナル事業に対する助成

      自動車ターミナルは,その性質上地価の高い都市内又はその周辺に位置するものが多く,また,規模の大型化が要求されているので,土地の取得についてはもとより,その建設にも多額の資金が必要である。しかも,自動車ターミナル事業は概して採算性に乏しく,資金調達能力にも限界があるため,今後,自動車輸送の合理化を促進するうえで自動車ターミナルの整備の必要性が高まることを考慮して,これに積極的な助成を構ずる必要がある。この観点から現在,日本開発銀行及び北海道東北開発公庫による低利かつ長期の償還期間の融資が行われており,また税制面においても固定資産税の軽減,耐火建築物等の割増償却などの措置がとられている。

(3) 日本自動車ターミナル株式会社

  大都市周辺に大規模なトラツクターミナルを整備することは,たんに輸送の効率化を図るばかりでなく,道路交通対策,事故公害防止対策のうえからも緊要である。このため,40年7月日本自動車ターミナル株式会社(現在資本金68億円)が特殊法人として設立され,現在,東京において京浜トラツクターミナル(433バース)及び板橋トラツクターミナル(320バース)を供用しているが,いまだに不十分であり,近く49年度完成を目途に足立トラツクターミナル(340バース)の建設が進められようとしている。このため引続き政府出資,開銀融資,税制上の優遇措置等の強力な助成措置を講ずる必要がある。


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