2 環境保全に対する法制の整備
港湾法は,昭和25年という経済基盤の強化に主力を置いた時代に制定された法律であり,公害防止等港湾の環境の保全について配慮に欠けるところがあつたので,第71国会において次のとおり港湾法等の一部改正が行われた。
(1) 水域の清掃,沈廃船の除去,廃棄物埋立護岸等の管理運営などを港湾管理者の業務として明示する。
(2) 公害防止用緩衝地帯等の港湾公害防止施設,廃棄物埋立護岸等の廃棄物処理施設,緑地等の港湾環境整備施設を港湾施設に追加し,これらの港湾施設の建設又は改良に要する費用について,国が補助することとする。
(3) 港湾管理者は,一定の事業者に港湾の環境の整備に要する費用の一部を港湾環境整備負担金として負担させることができることとする。
(4) 港湾管理者の長は,港湾の運営上著しく支障を与える行為に対し,是正のための必要な勧告等をなしうることとする。
(5) 臨港地区における分区としてマリーナ港区,修景厚生港区を追加する。
(6) 海洋環境の保全の観点から,海洋において排出した油に臨機応変の措置をとりうる態勢をととのえるため,一定の船舶又は貯油タンクにオイルフエンス等の油防除資材の備え付けを義務づける(海洋汚染防止法の改正)。
(7) 港湾以外の海域における汚泥等公害の原因となる物質の排除汚濁水の浄化その他の公害防止のために行う事業を港湾における上記の事業に加えて港湾整備5か年計画の対象とすることにより,これらの事業の実施の促進をはかる(港湾整備緊急措置法の改正)。
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