第3節 防除対策


  タンカーの事故等により大量の油類を海上に流出させた場合には,「海洋汚染防止法」により,船長,施設の管理者,流出油の原因者が応急措置を,また船主,施設の設置者が,油の防除措置をそれぞれとるよう義務づけられているが,その油が港内又は港の付近の船舶から流出したときは,油の荷送人等も,前記義務者の行う措置の実施について,援助又は協力しなければならないよう義務づけられている。
  一方,海上保安庁としても,かかる事故が発生した場合には,直ちに巡視船艇,航空機を出動させ,流出油の状況のは握,事故船舶に対する防除措置の指導等を行うとともに,緊急,大規模なものについては,自らオイルフエンスの展張,流出油の回収,油処理剤の散布等を行うなど被害防止のために必要なあらゆる措置を講じている。
  また,タンカーの事故は,多方面に大きな被害を及ぼすおそれがあるため運輸省ではタンクサイズの技術基準の強化について検討を進めておりまた関係者が一体となつて,事故に即応しうる体制の整備を促進している。
  更に,大規模なタンカー事故に対処するため,大型タンカー事故対策が「災害対策基本法」に基づく防災基本計画に組み入れられているが,この種の災害発生のおそれのある都道府県,市町村の地域防災計画にもその組み入れを推進している。
  しかしながら,48年1月瀬戸内海で発生したクリスタルコブス号のミナス原油流出事故,同年2月島根半島沖の原因者不明の浮流油事故等の際の処理状況にかんがみ,固形化,泥状化した浮流油の防除資器材の研究開発並びに毎年増加している原因者不明の流出油について,防除及び事後処理等を迅速に実施するためには,防除措置及び回収した油の処分等に関する責任区分及び協力体制を明確にすることが必要である。
  また,このたび「海洋汚染防止法」が一部改正され,一定の船舶,係留施設,油の貯蔵施設に対し,オイルフエンス,油処理剤等の排出油防除のための資材の備え付けが義務づけられることとなつた。
  一方,長期にわたる汚染物質の累積の結果引き起こされた海洋汚染の防除対策としては,海面浮遊ごみの清掃,浮遊油の回収,底質のしゆんせつや覆土等があるが,運輸省は,港湾区域やその他の汚染海域において,積極的にこれらの事業を推進するため,法改正を行い,予算措置を講じた。


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