7 観光の分野における国際協力


  我が国は,各国の国家的観光機関によつて構成される官設観光機関国際同盟(IUOTO)に加盟して,国際観光の振興活動に協力するとともに,観光分野における国際協力活動として,近隣諸国との地域的協力,開発途上国に対する技術協力,経済協力を行つている。
  地域的協力としては,東アジア観光協会(EATA),及び太平洋観光協会(PATA)に国際観光振興会が参加して,共同宣伝事業に協力している。特に,48年2月には京都において,PATAのワークシヨツプ(研究集会)が「観光はよりよき環境を造るというテーマの下に行われ,次いで東京において年次総会が開かれ,多大の成功を収めた。なかでも,総会において協会規約を改正し,「太平洋地域の自然,社会,文化の保護と回復の重要性を認識して」各種の事業を行うこととしたのは会議のテーマに相応したものであつた。
  技術協力については,47年,48年ともに6月から約1か月にわたり,アジア,アフリカ,中近東及び南米の開発途上国の政府関係観光機関職員15名を対象とする集団観光研修,個別研修を行い,韓国政府の要請により,48年7月に韓国側の作成した済州島総合観光開発計画に対する評価と検討のための調査団を派遣した。
  また,47年1月設立された東南アジア貿易投資観光促進センターの観光部門の事業は,48年度は3,313万円の予算をもつて,常設観光展示,宣伝印刷物の作成,配布,旅行情報の提供,観光関係投資のあつ旋等を中心に順調に成果をあげつつある。
  また,我が国企業による海外ホテル事業への進出は,最近,活発化しており,現在開業しているホテルは約20軒,5,900室に及んでいる。これら企業の大部分は,ハワイ,グアム,東南アジアに進出しており,日本人海外旅行者の利便の増大に資するとともに,現地の開発及び経済に大きく寄与している。


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