第2節 通訳案内業


  我が国を訪れた外客に対して,旅行を容易かつ快適なものにするとともに,日本に関する正しい知識を与え,誤つた先入観を取り除き,満足感を与えて帰国することができるかどうかは,その旅行につきそう通訳案内業者(ガイド)の資質と能力によるところが大きい。このため通訳案内業者については,通訳案内業法により国家試験及び免許制度を実施している。
  昭和47年度の受験者は7,159名,合格者は 〔IV−42表〕のとおり170名で,24年度以来の合格者の累計は5,667名となつた。

  通訳案内業試験は,ガイド業務に従事するに必要な最低限度の資源と能力を確保する程度のものであつて,実際に業務を行うには更に広い知識と経験が要求される。
  このため,新規合格者に対する研修制度を充実するほか,旅行業者等関係者の協力のもとに既成ガイドの研修を強化し,今後ともガイドの資質の向上を図ることが必要である。
  ガイドの就業と収入の状況をみると,逐年必ずしも増加していない。これは我が国の来訪外客に季節性があるため,ガイドの需要にも季節的変動があり,年間を通じて安定した就業が困難となつているためである。このため,現在就業者の約半数が副業ガイドと推定される。


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