第1節 昭和48年の国際輸送
昭和48年の世界経済は,通貨不安に加え,石油危機が発生するなど波乱模様であったが,世界的な好況とインフレの進行を反映して世界貿易額は,輸出(FOB建)で5,092億ドルと前年に比べ37.9%の増加を示した。しかしながら貿易量は前年に比べ14.6%増の伸び率にとどまった。また,48年の国際旅客流動量は,2億1,500万人と前年比8.6%増であった。
48年の我が国の貿易量は,海外需要の堅調と47年末から48年秋までの国内景気の急速な拡大に伴う内需の増加により輸出,輸入とも増加した。輸出は5,136万トンで前年に比べ3.4%の増加,輸入は6億130万トンで前年に比べ17.2%の増加となり,合計では6億5,266万トンと16.0%増加した。
我が国の国際旅客輸送は,出国者総数313万9,000人,入国者総数311万9,000人,合計625万8,000人となり,前年に比べてそれぞれ36.8%,35.6%,36.2%増加した。
48年の我が国の運輸関係国際収支は,27億3,900万ドルの赤字となり,赤字幅は前年より更に12億300万ドル増加した。このうち海運関係国際収支は,外国用船の増加による用船料の支払い増や外国船に対する輸入貨物の運賃支払いの増加により13億9,400万ドルの赤字を計上し,また,旅行関係国際収支は,入国外客数の伸びに対し,日本人海外旅行者の増加が著しく,10億4,300万ドルの赤字となった。
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