第3節 旅客輸送昭和48年の我が国への入国外客数は,78万5,000人で前年比8.4%増であったが,日本万国博覧会が開催された45年の入国外客数(85万4,000人)には達しなかった。入国外客数を目的別にみると,滞在客は68万8,000人で9.0%増,一時上陸客は9万6,000人で4.6%増を示した。滞在客のうち,観光客は45万人で6.9%増,業務その他客は23万8,000人で13.1%増であった。また,これを月別にみると10月が最も多く,9月,4月の順となっている。 入国外客を地域別にみると,北米からの入国者が36万3,000人で全体の46.2%を占め,次いでアジアが21万8,000人で27.8%,ヨーロッパが15万1,000人で19.2%,大洋州が3万1,000人で4.0%となっており,前年比では,ヨーロッパ,アジアがそれぞれ15.9%,13.8%の大幅増を示したのに対し,北米は2.2%増にとどまった。北米からの入国客数は,オリンピック東京大会のあった39年,日本万国博覧会のあった45年及び札幌オリンピック冬季大会のあった47年を除いて,いずれも入国外客数の50%を越えていたが,48年には前年に比べても更に2.8ポイント減少した。 49年に入ってからの外客入国状況は,石油危機や主要国の物価上昇を反映して伸びの減少がみられ,1〜6月の入国外客数は前年同期比1.8%増にとどまっている。 次に,48年の日本人の海外旅行者数は,228万9,000人で沖縄分を除くと前年比64.4%増となっており,44年から47年にみられた35〜45%を越える高い伸びを示した。 これを旅行目的別にみると,業務目的が38万1,000人で40.5%増にとどまったのに対し,観光その他目的は44年にはじめて業務を上回って以来急上昇を続け,48年には,181万8,000人で前年比75.7%増となり,全体の79.4%を占めるに至った。 海外旅行者を旅行先(第1目的地)別にみると,ハワイ,グアム等を含む米国が65万1,000人で最も多く,また香港,台湾,韓国へもそれぞれ35万人から40万人が訪れており,身近な海外旅行が普及したことを示している。しかし,49年度に入ってからは景気の低迷を反映して,海外旅行を手控える傾向がでてきている。 また,48年における海外旅行者の出国時期を月別にみると 〔1−2−6図〕のとおりであり,11月,8月,10月の順となっている。
以上のように,我が国の国際旅行需要の伸びは著しいが,これら国際旅客輸送の大半を占める航空についてみると,48年の我が国の出入航空旅客数(通過客分を含む)は,699万9,000人で前年に比べ40.4%増を示し,前年の伸び率22.8%増を大きく上回った。我が国の航空会社の積取比率は輸送旅客数は225万人で前年に比べ12%増となったが前年の40.2%から32.1%に下落した 〔1−2−7図〕。
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