4 運輸における情報のシステム化の進展


  我が国においては,近年多方面にわたって著しく情報のシステム化が進展している。本来的にシステム指向型産業といわれる運輸事業においても,一般管理事務はもとより,施設・資材管理,営業・販売管理,運航・安全・生産管理等様々な分野で,コンピュータと通信回線を利用した情報のシステム化が進展している。48年末の運輸関係事業別コンピュータ設置状況は 〔2−3−13表〕のとおりとなっており,順調な伸びを示しているといえよう。

  また,国民生活に密接に結びついた代表的な情報システムの例の一つに,「緑の窓口」として知られている国鉄のMARS座席予約システムがあげられよう。このシステムは,昭和35年,MARS1が稼動を開始して以来,その規模を次々と拡張し,現在のMARS105は取扱座席数約70万座席,端末機台数約1,600台という大規模なオンライン・システムとなっている 〔2−3−14図〕。本システムにより,顧客サービスと発売効率の改善が図られたが,現在,新幹線博多開業に伴うシステムの拡大と電話予約方式の実施について準備が進められている。

  このほか,国鉄のCOMTRAC(新幹線運転管理システム),日本航空(株)のJALCOMII等が代表的なシステムである。
  しかし,これらの現在稼動中の情報システムは,いずれも各企業体が個別に自らの業務処理の近代化を図るため開発整備したものである。今後は,運輸全体の立場からトータルシステムとして,斉合性のあるシステムの整備を図る必要がある。
  運輸省においては,このような基本的考え方に基づき,トータルシステムとして斉合性のある運輸情報システムの整備を推進するための諸施策を講じており,その主なものの現状は次のとおりである。

(1) 国際貨物輸送情報システム(International Cargo Information System I.C.I.S.)

  国際貨物輸送情報システムとは,国際貨物輸送を行うために必要な,あるいはそれに附随する諸データをコンピュータを用いて自動的に編集処理し,通信回線を介して伝送するシステムであり,流通ネックの打開,流通経費の節減,取引上のトラブル防止,労働力の削減等に大きな効果をもたらすものである。このシステムは,輸送機関別に航空システム,海運システム,更に,国内システムと諸外国とのデータ伝送を行うデータ・トランスミッション・システムというサブシステムより成る総合的なシステムであるが,当面緊急に開発する必要のある航空システムについて,具体的な検討が進められている。
  運輸省では,48年度より国際貨物輸送情報システム開発委員会を設置する等,本システムの開発を推進するための施策を講じてきたが,民間側においても,航空会社等の関係業界により,48年11月,国際航空貨物輸送情報システム開発協議会(JACIS)が設立される等,官民協力により,その開発が進められている。
  また,国際貨物輸送関係書式の標準化,諸コードの統一化等による国際貨物輸送関係事務の簡易化,データ・トランスミッション・システム開発のためのテストの実施,諸外国における国際貨物情報システムの開発計画〔LACES(英)(46年より稼動),SOFIA(仏),CARDIS(米)等〕等の諸問題について各国関係者と意見交換を行うため,日米運輸専門家間の会合,ECEへの出席等国際協力を積極的に推進している。

(2) 港湾情報システム

  円滑な海上貨物輸送を確保するため,港湾関係諸業務に係る情報処理を総合的な観点から近代化し,事務処理の効率化と港湾関係諸施設の有効利用を図る必要性が高まってきており,(財)運輸経済研究センターにおいて,港湾情報システムについて検討作業が行われている。同センターでは,当面,港湾情報システムのうち緊急性の高い船舶動静に関するシステム及び国際海上貨物輸送情報システムについて検討を進めることとしている。

(3) 観光情報システム

  観光情報システムとは,余暇時代の到来に対処し,国民自らが希望する豊かな観光活動を促進し,観光資源,施設の有効な利用を図るため,観光に関する各種情報を公平な立場から一元的に収集し,広く国民に提供するためのトータルシステムである。
  このシステムに関しては,運輸省に設置された観光情報システム開発委員会が48年12月にまとめた「観光情報システムの基本的な考え方」に基づき,公的宿泊施設の予約と観光情報の収集,提供に係るシステムについて検討が進められている。


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