2 国際協調


  先進造船諸国間における国際協調は,政府ベースでは,世界の造船業の公正競争を目的として経済協力開発機構(OECD)を通し,また,民間ベースでは日欧各造船工業会間で行われている。OECDにおける成果で主たるものは44年5月の「船舶の輸出信用に関する了解」の成立と,47年10月の「造船業における正常な競争条件に対する障害の前進的除去のための一般取極」の理事会決議である。
  当面の重要な問題は,「船舶の輸出信用に関する了解」について,従来実施されていた条件(頭金20%以上,延払期間8年以下,金利7.5%以上)が,最近の高金利状況に鑑み,49年7月以降,頭金30%以上,延払期間7年以下,金利8%以上の条件で実施されることに決定したことである。
  また,上記「一般取極」に基づき,将来の船舶の需要見通し検討のため,造船作業部会の下に,サブ・グループが設置され47年12月以降,討議が進められている。世界造船市場における需給均衡の維持は,正常な競争条件を確立する上での重要な前提であり,我が国としても積極的に協力を進めているものの,石油ショックに端を発した世界的エネルギー問題等の勃発により早期結論を得ることは極めて困難な状態にたち至っている。


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